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そんなこんなで私はこの時代にいる「物」を見つけるため、江戸時代へと来たのだが。
付いた場所が野原だったらいいものを場所は新撰組。心優しい近藤勇により助けられ、今に至るのですよね…!
「―で、これで全員だな!…そういえば、御嬢さんの名前は?」
「うえ?…あ!私は有理(ゆり)です!苗字まではおしえれませんけどね」
勇は何故?というような顔をする。
有理は少し苦笑いをして堯凛さんと目を合わせる。堯凛はふんふんといばっている。
「俺と有理はこの時代の住民じゃねぇからなァ、苗字まで教えっとコイツやコイツの祖先が消えるんだわ。…祖先と子孫が同じ時代にいるとこの「世界」に認識されちまう。そうすると「祖先は子供を産まなかった」ってことになるんだな。子孫である有理がここにいるから「赤の他人」という風にされてな」
「…難しいな。まぁ名前がわかるだけで呼ぶ時も不自由はないからいいんだけどなぁ」
「っていううか!勇さん!なに隊員の自己紹介してしかも仲良くしてんだよ!」
総司はあわててツッコミを入れる。
有理はうるさいなーと横目で総司という男を見るが…え、総司?
「…あのー。もしかして、「沖田総司」?」
「何で俺の名前知ってんだよ?」
「…」
「…」
「…え」
「…?」
「えぇえええええええええええ!?」
沖田総司。たしか中学の社会の授業とかで習ったような…つか私が好きだった江戸時代の人物じゃんかよ!なんですか新撰組乙女ゲームで一番最初に攻略したのに!好きだったのに!なんで実物がコレなんだよ!畜生青春返せェエエ!!!(有理の頭の中で一秒で考えた内容)
「っ、なんだよ!俺が沖田総司で悪いか!」
「悪いわ!返せ私の青春!おかげで年齢=恋人いない歴だわ!」
ガミガミ言っていると、堯凛がはいはいー!と手をたたいてたしなめる。
「お前らガキじゃあるまいし、…で、俺たちがここにいる理由だが」
有理の肩からぴょんと降りた堯凛は勇のそばに寄った。
すると勇は眼を広げて、腰が抜けたかのように後ろに下がる。
「ふ、腹話術じゃなかったのか!?」「ああ?!俺はこのとうり生きてるっての!」
この世の時代は移り変わりゆくもの。その時代の秩序を乱さず、ましてや未来にモノが過去のモノと接触をするのを止める切り札として、「CREATOR」と呼ばれる存在がいた。
その存在のお陰で、神出鬼没の「時空穴」に飛ばされた「物」たちもその異業者により時を代えられずに済んだのであります。
今回はその異業者の一人の少女のお話であります。
「…ねぇ、堯凛(ぎょうりん)さん。また時空できてるんだけどココに」
「んなこといわれてもなぁ…偽愁傷さまというしかできねぇンダな俺は」
一人の少女が、どこかの屋根の上で兎のぬいぐるみに話しかけている。
しかしながらそのぬいぐるみは命があるらしい。話している。
「えー私もう行くのいやなんだけどー!今日休みたい!寝たい!」
「そんなこと言われたら仕事に何ねぇだろうが!」
えーでも、と横目で兎、堯凛を少女は見る。
「堯凛さんが時空の案内人としてくれるのはいいんだけどさ、その場所が嫌なんだよね。この前なんて森の中だよ?殺す気かっ!」
「うるせぇなー。しょうがねぇだろ俺様能力すごいんだから」
そう言えばこういう。そんな関係の二人だが、とうとう少女、有理(ゆり)の腹が煮えてきたのか。
「お手柔らかに!」と大きな声で言えばその黒い穴の中へ入る。
「はいはい頑張りますよ」
そう堯凛も言いながら穴の中へ入った。
暗い穴の中。 ずずっと落ちていくと、
光が見えた。
ドサッ!
「ったー!酷いよコレ!今日は一段としりもち…って、堯凛さん!今回は陸地だよ!」
「おお!俺はやるときゃやるんでな!」
二人はきゃいのきゃいのと嬉しそうに手を合わせる。
が。
「お前ら!いったいどこからきやがった!」