この世の時代は移り変わりゆくもの。その時代の秩序を乱さず、ましてや未来にモノが過去のモノと接触をするのを止める切り札として、「CREATOR」と呼ばれる存在がいた。
その存在のお陰で、神出鬼没の「時空穴」に飛ばされた「物」たちもその異業者により時を代えられずに済んだのであります。
今回はその異業者の一人の少女のお話であります。
「…ねぇ、堯凛(ぎょうりん)さん。また時空できてるんだけどココに」
「んなこといわれてもなぁ…偽愁傷さまというしかできねぇンダな俺は」
一人の少女が、どこかの屋根の上で兎のぬいぐるみに話しかけている。
しかしながらそのぬいぐるみは命があるらしい。話している。
「えー私もう行くのいやなんだけどー!今日休みたい!寝たい!」
「そんなこと言われたら仕事に何ねぇだろうが!」
えーでも、と横目で兎、堯凛を少女は見る。
「堯凛さんが時空の案内人としてくれるのはいいんだけどさ、その場所が嫌なんだよね。この前なんて森の中だよ?殺す気かっ!」
「うるせぇなー。しょうがねぇだろ俺様能力すごいんだから」
そう言えばこういう。そんな関係の二人だが、とうとう少女、有理(ゆり)の腹が煮えてきたのか。
「お手柔らかに!」と大きな声で言えばその黒い穴の中へ入る。
「はいはい頑張りますよ」
そう堯凛も言いながら穴の中へ入った。
暗い穴の中。 ずずっと落ちていくと、
光が見えた。
ドサッ!
「ったー!酷いよコレ!今日は一段としりもち…って、堯凛さん!今回は陸地だよ!」
「おお!俺はやるときゃやるんでな!」
二人はきゃいのきゃいのと嬉しそうに手を合わせる。
が。
「お前ら!いったいどこからきやがった!」
『…え?』
目の前には後ろでポニーテールのようなことをする金髪の男。んまぁこんな奴はどこにでもいるとおもいきや、
その格好は昔の武士、 サムライのような格好だった。
良く見れば、周りには竹刀やら刀やらもっている同じ服を着た男達がいる。
「…堯凛さん。今日一番最悪でしょ?」
「んだな…つかここなんの時代だ?」
するといきなり手首にはめていた時計が音を鳴らした。
そして、
時計に書かれている現在地を見る。
< 江戸時代 新撰組役所中央 >
「…堯凛さーん。私逹、江戸時代に来ましたー」
「ははは…は、
マジデ?!」
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